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海上輸送で運ぶものの特徴は?航空輸送との違いや海上輸送の課題や注意点も解説

海上輸送で運ぶものの特徴は?航空輸送との違いや海上輸送の課題や注意点も解説
INDEX 目次

海上輸送は、日本の輸出入のほとんどを占める主要な輸送手段です。

この記事では、海上輸送で運ぶものの特徴や、それぞれに合わせた船の種類、航空輸送との違いなどを解説します。海上輸送に関わる情報を集めている人は、ぜひ参考にしてください。

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海上輸送で運ぶもの

ここでは、海上輸送で運ぶものについて解説します。

海上輸送で運ぶ主な貨物

海上輸送では様々な種類の貨物が世界中に運ばれています。以下は、一般的に海上輸送される貨物の例です。

  • 一般消費財:衣類、家電製品、家具、おもちゃなど
  • 食品類:穀物(小麦、トウモロコシ)、豆類(大豆)、冷凍食品、果物、野菜
  • 自動車:乗用車、トラック、バス、重機など
  • 工業製品:鉄鋼製品、機械類、電子部品、工業設備
  • 建築材料:セメント、木材、金属材料、石材
  • 化学品:化学肥料、プラスチック原料、ペイント、溶剤
  • エネルギー資源:原油、石炭、天然ガス、液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)
  • 危険物:爆発物、放射性物質、可燃性液体、腐食性物質

これらの貨物はそれぞれ適切な梱包、マーキング、取り扱いが必要です。安全かつ効率的な輸送を保証するために、国際的な規則や規制に従って運搬されます。

旅客

海上輸送で運ぶのは、ものだけではありません。フェリーによる旅客輸送も、海上輸送に含まれます。

また、人を運ぶ際には、一緒に乗船客の車やバイクを運ぶ場合もあります。

海上輸送の船と運ぶもの

ここでは、海上輸送に用いられる船の種類と、船ごとに運ぶものについて解説します。

コンテナ船

コンテナ船は、海上輸送の主要手段です。さまざまな商品や貨物を専用のコンテナに収めて輸送できる点が特徴です。

大小さまざまなコンテナを甲板上に積み上げて輸送します。食品や衣類などに加えて、危険物の輸送も可能です。国際規格によってコンテナの重さやサイズが決められています。

RORO船

RORO船は、Roll-On/Roll-Off船の略称であり、貨物を積んだトラックやトレーラーをそのまま積載し、輸送する貨物船です。

自動車や建設機械などの大型車両を効率的に輸送するために用いられます。

車両を直接載せられるという特性から、効率的で迅速な貨物の積み下ろしが可能です。

ドライバルク船

ドライバルク船とは、さまざまな資源を大量に、かつ梱包せずに輸送する船です。ばら積み船とも呼ばれています。ドライバルク船で取り扱うのは、穀物や塩、鉄鉱石やアルミ塊、石炭や銅鉱石など多岐にわたります。

ドライバルク船のサイズはさまざまで、運ぶ貨物の量や寄港地の規模などに合わせたサイズを利用するのも特徴です。

石油タンカー

オイルタンカーや油槽船とも呼ばれ、石油類の輸送に特化しています。石油を積載するための大型のタンクが備わっています。

タンクは船倉内で複数に仕切られており、スムーズに原油の出し入れが可能です。また、安全性を確保するために、遠隔操作ができる自動荷役装置を備えた船舶も増えているようです。

LPG船・LNG船

LPG船・LNG船はガスを輸送する船です。それぞれの特徴は、下記のとおりです。

  • LPG船(液化石油ガス船):ブタン・プロパンなどを液化したLPG(液化石油ガス)を輸送する貨物船。LPGタンカーとも呼ばれる
  • LNG船(液化天然ガス船):天然ガスを液化したLNG(液化天然ガス)を輸送する貨物船。LNGタンカーとも呼ばれる

フェリー

フェリーは、旅客や貨物を輸送するために運航される船です。一般的に知られているのは人を乗せる旅客フェリーですが、ものを運ぶ役割に特化した貨物フェリーもフェリーの種類としてあります。

フェリーは、定期便として運航されるケースが多くみられます。

海上輸送でものを運ぶメリット

ここでは、海上輸送でものを運ぶメリットについて解説します。

効率的で経済的な大量輸送

海上輸送でものを運ぶメリットは、効率的で経済的な大量輸送が実現される点です。

数千から数十万トンもの大量の貨物を一度に運べるため、輸送コストを大幅に削減できます。また、航空輸送で禁止されている危険な物品も運べる点もメリットとして挙げられます。

環境への優しさと持続可能性

海上輸送でものを運ぶメリットは、環境に優しい輸送手段を選択できる点です。

船による輸送は、航空機よりも輸送効率に優れていますので、単位あたりの利用燃料が少なく抑えられますので、

温室効果ガス排出量も低減されます。船を利用すれば、国際的な基準や取り組みに基づいて環境への影響を軽減できるでしょう。
※参考:国土交通省|国際基準等を踏まえた総合的な環境対策・海上安全の推進

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海上輸送の運ぶものと最新動向

以下では、2024年の海上輸送業界に影響を与える可能性がある世界的動向について解説します。

地政学的リスクによるサプライチェーンの多様化

各国の地政学的な緊張により、特定地域の政治的・軍事的不安定性が海上貿易に影響は2024年にも影響を与えるでしょう。この地政学的な緊張は、サプライチェーンの多様化と地理的再配置を促しており、企業はリスク分散のために新しい貿易パートナーシップを模索している状況です。

例えば、西側諸国は遠境の国々との過度な依存を避け、メキシコやトルコといった地理的に近い国々との経済的結びつきを強化しています。

参考資料:Trends and Outlook for Container Shipping Industry in 2024 

エルニーニョ現象による海上輸送への影響

2024年は厳しいエルニーニョ現象が予測されており、特にパナマ運河やライン川などの重要な水路の水位低下を引き起こす可能性があり、海運業界への大きな影響が想定されます。

低水位は船舶のキャパシティを制限し、運河当局が船舶の通過数や重量に制限を設ける可能性があります。その結果、船舶は迂回ルートを取る必要が生じ、輸送コストと時間が増加してしまう可能性が高まるのです。

参考資料:Trends and Outlook for Container Shipping Industry in 2024 

航空輸送で運ぶものとの違い

ここでは、航空輸送のメリットとデメリットについて、船で運ぶものとの違いも交えながら解説します。

航空輸送のメリット

航空輸送のメリットは、急ぎの商品や生鮮食品の迅速な輸送が可能である点です。適切な空調管理を行えるため、船では運べない生鮮食品も輸送できるのです。

また、ワクチンなどの医薬品や精密機械も得意としています。

航空輸送のデメリット

航空輸送のデメリットは、輸送コストが高い点です。そのため、費用面を重視する場合には不向きでしょう。大型の貨物や重い貨物を一括輸送したい場合にもあまり向いていません。

また、海上輸送に比べると二酸化炭素排出量も多いため、環境への影響も懸念されます。

海上輸送で運ぶものの取引プロセス

海上輸送において貨物を運ぶ際の基本的な流れは、下記のとおりです。

  1. 集荷
  2. 搬入
  3. 輸出通関
  4. 本船積載
  5. 出港
  6. 着港
  7. 搬出
  8. 輸入通関

以下、貨物を預けるまでの流れを解説します。

海上輸送手配の流れ

海上輸送に貨物を預ける流れは、下記のとおりです。

  1. 積載する船舶の選定、本船スペース・コンテナの確保手配
  2. 貨物を保税蔵置場へ搬入
  3. 輸出申告書、インボイス、他法令関係書類を税関に提出
  4. 税関で書類を審査し、必要に応じ検査
  5. 輸出許可書が発行される

搬入前検査が問題なく完了して積み込みが終わると、貨物の預かり証書(船荷証券)が発行されます。

海上輸送で運ぶものと費用構造

ここでは、海上輸送の費用構造と最適化のポイントについて解説します。

海上輸送の費用構造

海上運賃は、輸送経路と貨物の内容が基準となって定められています。

また、船舶サイズと積載量、燃料価格の変動、航路や利用する港が運賃に影響します。

最適な費用を実現するためのポイント

費用を安く抑えたい場合、効率的な荷役計画や最適なルート選定、複数の船会社の比較を行いましょう。

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海上輸送と国際規則

ここでは、海上輸送に関わる国際規則について解説します。

インコタームズとは

インコタームズとは、国際商業会議所が1936年に制定した貿易条件を指す言葉です。インコタームズは、すべての輸送手段に適した規則と船舶輸送のみに適した規則の2つに分類され、さらに11の条件に分けられます。

海上輸送に適用される規則

海上輸送に適用される規則は下記の4つがあげられます。

  • FOB(本船渡し):船の看板に貨物を置いた時点で、危険負担と費用負担が輸入者に移行する
  • FAS(船側渡し):船の船側に貨物を置いた時点で危険負担と費用負担が輸入者に移行する
  • CFR(運賃込み):輸出港までの費用と輸出者が負担し、輸入者が危険負担(保険)を行う
  • CIF(運賃保険料込み):輸出者が輸入港までの費用と危険負担を行う(コンテナ輸送で一般的な貿易条件)

上記4つの条件は、コンテナでは運べないものを搭載する在来船が主な対象です。

海上輸送の課題

ここでは、海上輸送の課題について解説します。

人手不足と船員の高齢化

海上輸送の課題としては、人手不足と船員の高齢化が挙げられます。

海上輸送の業界では、若手の育成や新たな人材の確保が課題です。また、人手不足を補うための、船舶の自動化やデジタル技術の進展が急務となっています。

海賊からの悪影響を受ける可能性がある

特定地域の政治的・軍事的不安定性により、海賊行為が依然として大きな問題です。船舶の安全を保障するためのセキュリティ対策の強化が不可欠といえます。

海上輸送でものを運ぶデメリット

ここでは、海上輸送でものを運ぶデメリットについて解説します。

時間がかかる

海上輸送の輸送時間は航空輸送と比較して著しく遅く、到着までに時間がかかってしまう点が大きなデメリットです。

また、輸送にかかる日数は天候や貨物の種類や特性、航路などに左右されます。そのため、緊急性が求められる貨物には不向きであり、時間に敏感な商品や市場に迅速に反応する必要があるビジネスには影響が出る場合があります。

予定どおりに運航できない可能性がある

海上輸送は気象条件や地政学的リスクに左右されやすいため、物流の動きが不安定になる場合があります。

たとえば、台風やハリケーンの影響で予定通りに船が運航できないなどの影響でスケジュールの遅れが生じる可能性があります。このような要因によって予定どおりに運航できないケースもあるのです。

書類の手続きが多い

輸出入に関する規制が厳しく、以下のように多くの書類の手続きが必要です。

  1. 集荷:工場や倉庫から港まで貨物を運送する。
  2. 搬入:貨物を港のコンテナヤードに集積する。
  3. 輸出通関:通関へ貨物を申告し、輸出許可を得る。
  4. 本船への積載:貨物を船舶へ積み込む。
  5. 出港:目的地へと出港する。
  6. 着港:目的地へ着港後、諸手続きを行う。
  7. 搬出:目的地の港のコンテナヤードに貨物を集積する。
  8. 輸入通関:通関に申告し、輸入許可を得る。
  9. 配達:貨物を最終仕向地へ運搬する。

具体的に必要な書類は、B/L(船荷証券)やC/O(原産地証明書)、関税書類などがあり、多岐にわたる書類手続きが発生し、それぞれの国の法律に適合させる必要があります。

また、目的地の港に到着してからの国内輸送に関しても手続きが必要で、手続き全体で時間とコストを要するため、物流業者に委託することが一般的です。

海上輸送で運ぶものと注意点

ここでは、海上輸送でものを運ぶ際の注意点について解説します。

運ぶものとコンテナの大きさ

海上輸送でものを運ぶ際には、運ぶものとコンテナの大きさに気を配りましょう。

運搬物のサイズや重量を正確に計測したうえで、適切なサイズのコンテナを選択することが重要です。場合によっては、積めると思っていた貨物が積めないこともあります。

しっかりとサイズを把握していれば、サイズ制約に引っかかって運べなかったなどの損失を防げます。

運ぶものと輸送時のコンテナの配置

コンテナの積み位置も非常に重要です。特に重い貨物は船の安定性を保つために低く、船体の中心に近い位置への配置が必要です。

また、海上輸送で危険物を扱う際には、国際海事機関(IMO)が定める国際海上危険物輸送規則(IMDGコード)に従い、特定の危険物に関しては適切な分類、梱包、ラベリング、そして隔離が求められます。

そのため、危険物を含む貨物は特定の規制に従って適切な場所に置かなければならず、異なる種類の危険物が互いに化学反応を起こさないよう隔離が必要です。

船会社のスペースの満船

海上輸送でものを運ぶ際は、船会社のスペースの満船に注意しましょう。満船によって予約スペースが埋まっていると、予約が取れなくなります。

海上輸送なら「三菱商事ロジスティクス」がおすすめ

海上輸送を依頼する業者の選定に悩んでいる場合は、国際輸送サービスを提供している「三菱商事ロジスティクス」がおすすめです。

三菱商事ロジスティクスは、製品特性やビジネスニーズに応じた最適な物流スキームを設計しているため、依頼者の需要を満たせる環境が整っています。また、化学品・危険物輸送事業も行っている点も特徴です。

まとめ

輸出入において海上輸送を検討する際には、運べるものや船の種類、メリット・デメリットなどを十分に把握しておきましょう。あらかじめ知識を得ておくことで、海上輸送がベストな選択かどうかの判断を下す材料が手に入ります。

もし海上輸送を検討している際には、ぜひ三菱商事ロジスティクスにご相談ください。万全の体制を整えてお客様の貨物をお預かりし、お運びいたします。

先ずはお見積りから

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