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海上輸送が遅れる原因と対策を徹底解説|世界の状況と日本における海上輸送の課題とは?

海上輸送が遅れる原因と対策を徹底解説|世界の状況と日本における海上輸送の課題とは?
INDEX 目次

輸出入に関わる仕事をしている人にとって、輸送の遅れは気がかりな要素の1つです。近年は、国際物流が混乱しており、海上輸送も遅れが目立つ状態が続いています。

この記事では、海上輸送の遅れの最新情報や、遅れが発生する原因・対策などについて解説します。輸出入にかかわる仕事をしている人は参考にしてください。

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海上輸送の遅れによる日本の課題

貨物輸送では、遅れの発生が大きな問題となります。輸送の遅れは、荷物が到着したあとに予定されているさまざまなスケジュールの遅延につながるためです。

海上輸送は、多くの荷物を運べるなどのメリットがある輸送方法です。一方、輸送に時間がかかり、遅延の可能性が大きいなどのデメリットもあります。

遅延する理由としては、地政学的リスクの影響を受けやすい点や天候に左右されやすい点などが挙げられるでしょう。

以下、海上輸送の遅れにかかわる日本の課題について解説します。

運航スケジュールの遅延

海上輸送は、長距離輸送になることが多い輸送方法です。そのため、一か所で遅延が発生すると、スケジュール全体に影響が出てきます。

国内の海上輸送は、短距離である点、日本の法律が適用されるため手続きの負担が少ない点などが特徴です。しかし、国外から、あるいは国外への海上輸送では、下記のような課題があります。

  • 運航途中に事件や事故が発生しやすい
  • 国によって法律・手続きが異なるため、対応が難しい など

上記をはじめとする課題により、運航スケジュールの遅延が国内の海上輸送に比べて起こりやすい点が懸念される事柄です。

抜港・滞貨の発生

海上輸送の遅延によって、抜港・滞貨が発生することも日本が抱えている課題です。抜港・滞貨の意味は、下記のとおりです。

  • 抜港:船が入港を予定していた港を飛ばすこと
  • 滞貨:貨物が輸送しきれないでたまっていること

抜港が起きると、当然ながら日本の港で運ぶ予定であった貨物に遅れが生じます。

滞貨は、貨物の増加や港で働く現場人員の入場制限などによって発生します。滞貨の状態が続くと、輸送費が高騰するなどの影響が出てくる点が課題です。

海上輸送の遅れによる影響

ここでは、海上輸送の遅延によって引き起こされる現象や影響について解説します。

商品の品切れにつながる

海上輸送が遅れると、物流の動きが止まってしまう恐れが出てきます。過去には、物流の動きが停滞したことで、様々な影響が国内で出ました。下記は代表的な例です。

  • 生鮮食料品:収穫から販売までの期間が増加したことによる品質劣化によって、商品の販売に影響が出た
  • 大手ファーストフード店の商品:ジャガイモの入荷が滞ったことにより、ポテトの販売サイズに制限が出た

また、サプライチェーンが寸断されたことで製造に必要な部品が不足し、生産調整に追い込まれたなどの事例もあります。

商品が劣化してしまう

海上輸送が遅れると、商品の劣化も進みやすくなります。

輸送が遅延すると、船で輸送するとの性質上、貨物は長期間風雨にさらされることになります。そのため、壊れやすい精密機器は故障し、日持ちしにくい食品は腐敗する可能性が高くなるでしょう。

海上輸送の遅れをもたらす深刻な世界状況

海上輸送に遅れが生じる要因としては、世界情勢も挙げられます。ここでは、海上輸送の遅れにつながる最近の世界の状況について解説します。

地政学的リスク

海上コンテナ輸送全体の約10%を占めると言われ、アジアと欧州を結ぶ非常に重要な水路である紅海では、地政学的な事情から、船舶が攻撃を受ける可能性があり、紅海を迂回をしなければならず、結果として遅延が生じることがあります。

世界的なコンテナ不足と過剰

新型コロナウイルス感染症の蔓延が落ち着いたことによって、2022年から海上輸送の量が正常になり始めました。

コンテナの需要と供給のバランスが崩れていることによって、海上輸送にも影響が出ています。

海上輸送が遅れる主な原因と対策

ここでは、海上輸送が遅れる主な原因とその対策について解説します。

天候不順により運航が停止される

海上輸送が遅れる原因の1つは、天候不順によって運航が停止となることです。台風が発生すると、その影響でポートクローズ(港の閉鎖)が起こり、入出港禁止となります。

ポートクローズとなると、入出港可能となるまで待つしかありません。そのため、遅延につながります。

<対策>

天候不順による遅延への対策としては、輸送手段の変更が考えられます。早く商品を輸送したい場合は、航空輸送に変更するなどの手段を取るとよいでしょう。

また、遅れを取り戻すための寄港地変更も選択肢の1つです。天候不順を考慮したうえで、余裕のあるスケジュール調整をしておくのも対策方法として挙げられます。

積み荷の積み下ろしに時間がかかる

海上輸送が遅れる原因の1つは、積み荷の積み下ろしに時間がかかる点です。

通常、船舶の積み荷はクレーンなどを使って積み下ろしを行います。しかし、積み荷の量によっては時間がかかり、結果として遅延につながる可能性もあります。

また、風が強いなど悪天候の場合は、クレーン作業は危険であるため天候の注視が必要となります。天候回復を待つと複数の船舶の積み下ろしが発生し、順次遅延する可能性が出てきます。

出入港地が混雑している

出入港地が混雑していることも、海上輸送が遅れる原因として挙げられます。

海上輸送は、とにかくスケジュール通り進まないものです。各港には多くの船舶が寄港するため、混雑することもあるでしょう。以前に比べて、積載量の多い大型の船舶が増えたことも混雑に影響しています。

ただし、日本には大型の船舶が停泊できる港が少ないため、抜港されるケースもあります。

直行便だけではなく経由便も多い

直行便は割高である点も、経由便が増えている要因です。

海上輸送においては、1つの港で遅延が発生すると全ての寄港地にその影響が出てきます。経由便の利用によって寄港地が増えれば増えるほど、遅れが大きくなりやすくなるでしょう。

寄港地での手続きに時間がかかる

海上輸送のデメリットとして、手続きの煩雑さが挙げられます。海上輸送においては、下記の流れを全て滞りなく進めなければなりません。

  • 集荷・搬入
  • 輸出通関(輸出時の貨物検査)
  • 積荷
  • 出港・着港
  • 輸入通関(輸入時の貨物検査)

<対策>

通関手続きなどの煩雑な業務は、専門家に依頼するとよいでしょう。専門家に依頼をすれば、さまざまな手続きを代わりに行ってくれます。自分で進めるよりもミスが少なく、スムーズな手続きの進行が期待できます。

また、貨物が到着する前に、税関の審査・検査の要否通知が受けられる制度である予備審査制の活用もおすすめです。

船の事故が起きることがある

海上輸送が遅れる原因の1つは、船の故障や事故です。

船の故障と事故が起こりうる状況としては、下記が挙げられます。

  • 座礁による船の損壊
  • 水濡れによる商品の劣化
  • 梱包状況の不適合による商品の損壊・腐敗 など

また、現代においても海賊に遭遇することがあります。そのほか、悪天候や天変地異、テロなどによる影響によって遅れが生じるケースもあるでしょう。

<対策>

船の故障や事故、天変地異、テロなどによる遅延は、予測が難しいものです。

しかし、少しでも遅延を避けるためには、リスクを回避するための航路調査が欠かせません。航路調査をはじめとして、リスクの発生を前提としたうえで、危険回避のための対策を常に検討しておきましょう。

まとめ

輸出入に携わる仕事をしている人にとって、海上輸送が滞りなく行われているかどうかは重要な事柄です。世界情勢も含め、日々さまざまなニュースを入手することで、現在の状況を把握しやすくなります。

海上輸送に関することは、三菱商事ロジスティクスにお任せください。生産から消費まで物流の全領域をカバーしており、海上輸送に関しても万全の体制を整えてお客様の貨物をお預かりいたします。

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