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コラム

海上輸送コンテナとは?サイズ・仕様や用途、種類などを徹底解説

海上輸送コンテナとは?サイズ・仕様や用途、種類などを徹底解説
INDEX 目次

海上輸送コンテナとは、国際的にISO規格で標準化されている「国際海上貨物用コンテナ」のことです。輸送サイズの規格化により効率化が図られ、貿易や物流の発展に大きく寄与してきました。

この記事では、海上輸送コンテナのサイズや仕様、用途、種類などを解説します。よりスムーズで効率的な物流を検討されている方は参考にしてください。

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海上輸送コンテナとは

海上輸送コンテナとは、ISO規格で標準化された「国際海上貨物用コンテナ」を意味します。

ISO(International Standardization Organization)は国際標準化機構のことで、海上輸送コンテナは寸法や形状がISO規格で定められています。これにより、海上輸送コンテナは世界中で統一された基準に従って設計され、効率的な物流を実現しています。

海上輸送コンテナのサイズ・仕様

海上輸送コンテナのサイズや仕様は次に紹介するISO規格に基づいて統一されています。

ISO規格に基づくコンテナ

海上輸送コンテナは、国際的な標準規格のISO規格によって機能や形状が定められています。

主流は20フィートまたは40フィートのコンテナです。40フィートコンテナの高さが1フィート高くなった40フィートハイキューブコンテナや、45フィートハイキューブコンテナもあります。

外寸はどのメーカーでも同一に作られていますが、内寸は最小内寸規定に基づき、若干のばらつきがあります。

また、国際的な海上輸送での利用は少ないですが10フィートと30フィートのコンテナサイズもあります。


20フィート

40フィート

40フィート
ハイキューブ

45フィート
ハイキューブ

区分

1CC

1AA

1AAA

1EE

外法寸法
(External Dim)

長さ(L)

6,058mm

12,192mm

12,192mm

13,716mm

幅(W)

2,438mm

2,438mm

2,438mm

2,438mm

高さ(H)

2,591mm

2,591mm

2,896mm

2,896mm

自重
(Tare Weight)

2,400kg

3,810kg

3,970kg

4,800kg

容量
(Internal Cubic Capacity)

33.0㎥

67.7㎥

76.0㎥

86.0㎥

最大総重量
(Gross Weight)

30,480kg

30,480kg

30,480kg

30,480kg

参照:国土交通省|ISOのコンテナ規格例

海上輸送コンテナの用途

海上輸送コンテナは、船舶や鉄道、トラックなどを使って貨物を運ぶために利用されます。通常は役割を終えると、鉄やアルミとして再利用されますが、耐久性・密閉性・耐浸水性に優れ、加工や移動が容易であることから、店舗や家屋、倉庫などに活用されるケースもあります。

海上輸送コンテナの種類

海上輸送コンテナは主に次の8種類があります。

  1. ドライコンテナ
  2. バルクコンテナ
  3. ベンチレーターコンテナ
  4. リーファーコンテナ
  5. サーマルコンテナ
  6. オープントップコンテナ
  7. フラットラックコンテナ
  8. タンクコンテナ

各コンテナを順に解説していきます。

1.ドライコンテナ

ドライコンテナは、海上輸送においてオーソドックスなコンテナです。特別な機能はなく、鉄製の箱で、貨物を運ぶための仕様です。

低価格でありながら、改造や加工が容易であり、さまざまな用途に利用されています。

たとえば、衣類を輸送する際にはパイプラックを取り付けた「ハンガーコンテナ」として活用できます。

ドライコンテナは、一般貨物の輸送に適しており、工業製品や日用品などを常温で輸送するのに最適です。

2.バルクコンテナ

バルクコンテナは、貨物をばら積みする大型コンテナです。バルクとは、粉体や粒状の積荷をいいます。バルクコンテナは、主に樹脂レジンや飼料、魚粉などの輸送に使われます。

通常、コンテナ上部の開口部から貨物を流し込み、コンテナドアの下部にある取り出し用ハッチからサイロに直接貨物が送ることができる構造です。形も箱型だけでなくタンク型やホッパ・サイロ型などもあります。

3.ベンチレーターコンテナ

通風コンテナ、通称ベンチレーターコンテナは、通風孔が設けられたコンテナです。通風の方式は自然換気と強制換気に分かれ、強制換気方式には機械内蔵型と外部設置型があります。

ベンチレーターコンテナは、側面に通気孔としてスリットがついています。このスリットは開閉でき、スリットを閉じた状態は常温の鉄の箱です。

この状態は工業製品や衣料品などを輸送するドライコンテナとして活用できるため2通りの使い方ができます。

ベンチレーターコンテナには表に通風装置付きを示すVの記号が付きます。

4.リーファーコンテナ

リーファーコンテナは、冷蔵・冷凍・加湿の機能を機械式で備えたコンテナです。コンテナ内の温度をコントロールできるため、冷凍や冷蔵で保存したい食品(魚介類・肉・野菜・果物などの生鮮食品)や、温度の調整が必要な医薬品やフィルム、化成品、美術品などの輸送に用いられます。

一般的には30度からマイナス29度までの範囲で調整できます。また、エチレンガスの除去や湿度コントロールも可能です。

5.サーマルコンテナ

サーマルコンテナは、積荷を適切な温度で保温するためのコンテナです。断熱材の使用で、外部の気温の変化から積荷を守り、品質を維持します。

ただし、サーマルコンテナはリーファーコンテナとは異なり、機械式の温度制御機能を持ちません。そのため、運送中の温度管理には制限があります。

しかし、凍結防止や一定時間の温度維持ができるため、サーマルコンテナは幅広く使用されています。

6.オープントップコンテナ

オープントップコンテナは、通常のドライコンテナの屋根がない、あるいは取り外し可能な仕様です。そのため、大型の機械や長尺の積荷など、通常のコンテナには積めないような高さや形状の貨物を輸送するのに適しています。

コンテナの開口部は、防水加工された帆布やプラスチックシートで覆われており、一定の水密性が確保されています。クレーンを使用して荷物を積み込むことが可能で、コンテナのドアからは出し入れが難しい特殊な形状や大きさの貨物を輸送する際に便利です。

7.フラットラックコンテナ

フラットラックコンテナは、天井や壁がなく、オープンな構造のコンテナです。床と四隅の柱、または前後の壁しかなく、異形のものや大型の機械、長尺の荷物に適しています。

荷役は左右と上方から可能で、貨物の固定が強固にできるラッシングリングが多数設置されている点も特徴です。サイズは20フィートと40フィートの2種類があり、ドライコンテナをベースに天井と左右の壁を取り払ったものです。

8.タンクコンテナ

タンクコンテナは、液体や気体の輸送に特化したコンテナで、鉄鋼フレーム内にタンクが格納されている構造です。積荷の種類や危険度によって区分分けされ、フレームの形状が異なります。

タンクコンテナは液体貨物を輸送する場合に使用され、モルト(原酒)や醤油、液体化学薬品などの輸送に適しています。また、タンクコンテナは荷主所有のコンテナが一般的です。

容量に応じて諸元寸法が異なり、9,500リットルから26,000リットルまでのサイズが選択できます。タンクコンテナの構造は、高圧ガスや危険物の輸送にも適しており、厳格な安全基準が適用されます。

まとめ

海上輸送コンテナは、世界中で広く使用される重要な輸送手段です。ISO規格に基づく標準的なサイズと仕様を持ち、さまざまな用途や貨物の種類に対応しています。

コンテナはドライコンテナ・バルクコンテナ・ベンチレーターコンテナ・リーファーコンテナ・サーマルコンテナ・オープントップコンテナ・フラットラックコンテナ・タンクコンテナなど、多様な種類があり、それぞれが異なる貨物や輸送条件に対応し、効率的な海上輸送を実現しています。

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