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海上輸送とは?特徴や利点・注意点・海上輸送と航空輸送にそれぞれ向いている貨物も解説

海上輸送とは?特徴や利点・注意点・海上輸送と航空輸送にそれぞれ向いている貨物も解説
INDEX 目次

海上輸送とは、船舶を利用して物や人を運ぶことです。

この記事では、海上輸送の特徴や利点、注意点、航空輸送との比較などを解説します。ぜひ参考にしてください。

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海上輸送とは

海上輸送とは、海上ルートを利用し、船舶で貨物や旅客を運ぶことを指し、海運とも呼ばれています。

海上輸送は物流手段の一つとして世界中の企業との橋渡し役として活躍しており、世界の経済活動や私たちの日々の暮らしを支える重要な機能です。

貿易の9割以上を海上輸送が担っている

原料・エネルギー資源や食料をはじめ、世界の貿易量における海上輸送の割合は、重量ベースで90.0%、日本の貿易量における海上輸送の割合においては、重量ベースで99.6%を占めています。

特に、島国である日本では、海上輸送の重要度が高くなっており、国内でも長距離となる場合は海上輸送がメインとなっています。

海上輸送が持つ特徴

まずは、海上輸送の特徴について解説します。

大量輸送が可能である

海上輸送には、主にコンテナ船やタンカーなどの大型船舶が使用されます。大型船舶を使用することで、一度に多くの製品・資材などの輸送が可能になります。

長距離輸送に利用される

海上輸送は海路で世界各国を行き来でき、大型船舶によって一度に大量の貨物を運べるため、長距離かつ重量の重い物資等の輸送によく利用されます。

日本国内での輸送ではなく、アジアからヨーロッパやアメリカなど遠方の国々への輸送が一度で可能なため、何度も往復する必要なく効率的に輸送できるのが特徴です。

海上輸送の3つの利点

次に、海上輸送の3つの利点について解説します。

輸送コストを抑えられる

航空輸送などの他の輸送手段と比較した場合、輸送コストを抑えられるというメリットがあります。

ただし、航空輸送よりも輸送速度で劣るため、緊急性が求められる場合には適さないというデメリットもあります。

環境への負荷が小さい

使用される大型船舶は、航空輸送やトラック輸送と比較した場合、CO2排出量が少なく、環境への負担が小さいことが特徴です。

また、最新の環境に配慮した船舶や新技術の開発によって、今後さらに負担が小さくなることが期待されています。

多様な貨物を輸送できる

大型船舶では、液体・個体・ガスなどさまざまな状態の貨物が輸送可能です。航空輸送では禁止されている危険品も輸送できるといった特徴があります。

海上輸送の注意点

海上輸送にはさまざまなメリットがありますが、いくつかの注意点も存在します。

輸送時間が長い

船舶の速度は、通常20~30ノット(約37~56km/h)程度であり、航空輸送と比べると輸送日数が長くなるため、新鮮な食材や急ぎの貨物には不向きです。

港湾施設の整備が必要である

大型船舶が寄港するためには、特定の設備やインフラの整備が必要となります。

輸送先に大型コンテナ船などの寄港に対応した港湾施設がない場合は、物資を効率的に届けられない可能性があります。海上輸送を利用する際は、輸送先に港湾施設が整備されていることが条件となります。

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海上輸送と航空輸送それぞれに向いている貨物とは

海上輸送と航空輸送では、輸送方法や輸送速度、積載量などの特徴が異なります。

ここでは、海上輸送と航空輸送それぞれに向いている貨物について解説します。

海上輸送が向いている貨物

海上輸送に向いている貨物は、次のとおりです。

  • 大量に輸送したい貨物
  • 航空輸送できない危険品
  • 納期までに余裕がある貨物

大型の船舶を使用するため、大量の貨物や大型の貨物の輸送に適しています。また、飛行機では危険物に指定されている品物も輸送でき、納期の余裕さえあれば大抵の品物は輸送可能です。

航空輸送が向いている貨物

航空輸送に向いている貨物は、次のとおりです。

  • 急ぎの貨物
  • 空調管理が必要な貨物
  • 内陸部へ輸送する貨物

飛行機を使用した輸送は、他の輸送に比べて輸送速度が速いため、急ぎの貨物に適しています。

内陸部への輸送にも向いていますが、港や空港から最終仕向地までの納期・コストを考慮したうえで、海上輸送と航空輸送どちらを採用するかを検討しましょう。

海上輸送で使用される主な船の種類

海上輸送では、さまざまな貨物が輸送可能ですが、貨物の種類に合わせていくつかの種類の船舶が使用されます。

ここからは、海上輸送で使用される主な船の種類について解説します。

コンテナ船

コンテナ船は、海上輸送の主要手段です。さまざまな商品や貨物を専用のコンテナに収めて輸送できる点が特徴です。

大小さまざまなコンテナを甲板上に積み上げて輸送します。食品や衣類などに加えて、危険物の輸送も可能です。国際規格によってコンテナの重さやサイズが決められています。

RORO船

RORO船は、Roll-On/Roll-Off船の略称であり、貨物を積んだトラックやトレーラーをそのまま積載し、輸送する貨物船です。自動車や建設機械などの大型車両を効率的に輸送するために用いられます。

車両を直接載せられるという特性から、効率的で迅速な貨物の積み下ろしが可能です。

ドライバルク船

ドライバルク船とは、さまざまな資源を大量に、かつ梱包せずに輸送する船です。ばら積み船とも呼ばれています。ドライバルク船で取り扱うのは、穀物や塩、鉄鉱石やアルミ塊、石炭や銅鉱石など多岐にわたります。

ドライバルク船のサイズはさまざまで、運ぶ貨物の量や寄港地の規模などに合わせたサイズを利用するのも特徴です。

石油タンカー

オイルタンカーや油槽船とも呼ばれ、石油類の輸送に特化しています。石油を積載するための大型のタンクが備わっています。

タンクは船倉内で複数に仕切られており、スムーズに原油の出し入れが可能です。また、安全性を確保するために、遠隔操作ができる自動荷役装置を備えた船舶も増えているようです。

LPG船・LNG船

LPG船・LNG船はガスを輸送する船です。それぞれの特徴は、下記のとおりです。

  • LPG船(液化石油ガス船):ブタン・プロパンなどを液化したLPG(液化石油ガス)を輸送する貨物船。LPGタンカーとも呼ばれる。
  • LNG船(液化天然ガス船):天然ガスを液化したLNG(液化天然ガス)を輸送する貨物船。LNGタンカーとも呼ばれる。

海上輸送の費用は「海上運賃」が重要

海上輸送の基本的な流れは、次のとおりです。

  1. 集荷:工場や倉庫から港まで運送します。
  2. 搬入の前段階で梱包、バンニングします。
  3. 搬入:港に到着した貨物は、特定のコンテナヤードに集積されます。
  4. 輸出通関:税関に貨物の申告が行われ、正式に輸出の許可が下ります。
  5. 本船への積載:通関が完了した貨物を船舶へ積み込みます。
  6. 出港:貨物の積み込み、船舶の出港準備が完了したら、目的地へと出港します。
  7. 着港:目的地の港に到着後、以下の諸手続きに進みます。
  8. 搬出:クレーンなどの港湾設備を利用してコンテナや貨物をコンテナヤードに集積します。
  9. 輸入通関:集積した貨物は、目的地の税関に申告され、輸入許可が下ります。
  10. 配達:通関が完了した貨物を最終仕向地へ輸送します。

海上輸送は、一般的に出発地(工場や倉庫)の港から輸送先の港までが輸送費となります。輸送費の考え方は、業者が変わってもほとんど同じです。また通関費など港以前の費用は含みません。

海上運賃は、貨物の船舶への積み込みから目的地への輸送までの費用です。この費用は、コンテナサイズや数量、輸送先などによって大きく異なり、業者によっても差があるため、海上輸送業者を比較検討する際のポイントになります。

まとめ

海上輸送とは、貨物に合った機能を持つ大型船舶を利用した輸送手段です。一度に多くの貨物を運べる、輸送コストが比較的安い、環境への負担が小さいなどのメリットがあります。

しかし、輸送時間が長いといったデメリットも存在し、貨物の種類によって輸送手段を検討することが必要です。

また、海上輸送の場合、船舶での輸送の費用に加えて、港への貨物の運送や通関手続きにかかる費用も必要になります。特に、船舶での輸送費用である海上運賃は、貨物の条件や依頼する業者によって異なるため、自社のニーズに合った業者選びが重要です。

三菱商事ロジスティクスは、機械・化学品・消費財など多岐にわたる製品の取扱を通じて蓄積した高度な物流ノウハウを活かし、それぞれのニーズに合ったサービスを提供しています。海上輸送の業者選びでお困りの人は、ぜひ三菱商事ロジスティクスにご相談ください。

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