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物流業務改善:QCD評価に於ける“C”と“D”の評価方法とは

QCDとは、Quality(品質)、Cost(費用)、Delivery(納期)の頭文字です。

現状の業務/業者評価を行う上で基本となる考え方で、この3つはあらゆるビジネス・業界において、欠かすことのできない重要な要素です。本ページでは、簡単なようで意外と見落としてしまいがちなCost(費用)とDelivery(納期)の評価を実施する際のポイントについて、物流事業者(NVOCC)の視点で解説していきたいと思います。

Cost(費用)、Delivery(納期)評価を実施する際に見落としてしまいがちなポイントとは?

物流事業者(NVOCC)選定においてCost(費用)、Delivery(納期)評価は、定量的に示される数字を比較する事となるので一見単純そうに見えますが、見積内容の比較時に注意が必要なポイントがあります。それは、「Cost(費用)、Delivery(納期)それぞれにおいて必要条件を満たした見積内容を取得しそれに基づいて比較できているか」という点です。

例えば、本邦(海上輸送以降)から米国内陸都市までの物流費用の比較を例にとってみましょう。貴方は物流事業者(NVOCC)各社に対して同内容の引き合いを送付し、各社から見積を取得しました。そしてこれから受領した各見積を比較検討することとなります。各社からの見積内容(例)を並べると次の通りとなります。


物流事業者A物流事業者B物流事業者C
見積費用USD5,000-USD7,000-USD3,000-
輸送手段・コンテナ船海上輸送
・内陸トラック輸送
・在来船海上輸送
・内陸トラック輸送
・コンテナ船海上輸送
・内陸鉄道輸送
・内陸トラック輸送
所要日数約25日約20日約30日
船積頻度月2回(隔週)月1回週1回
見積有効期限見積提示日から
3ヶ月間有効
見積提示日から
3ヶ月間有効
見積提示日から
1ヶ月間有効

各社からの見積は「輸送手段」「船積頻度」「見積有効期限」の内容がそれぞれバラバラなことが見て取れるかと思います。但しバラバラであることそのものはここでは問題ではございません。ここで注意しなければならないのは、取得した見積それぞれの各要素である「見積費用」「輸送手段」「所要日数」「船積頻度」「見積有効期限」の全てが、検討を行う上での「必要条件」を満たすことが出来ているか、という点です。

例えば工場出荷日と現地納品期限日から、所要日数は最大でも3週間すなわち21日しか許容できない場合、選択可能な物流事業者(NVOCC)は自動的に「B」となってしまいます。また、見積費用や所要日数などの必要条件は満たしているものの、そもそも製品の梱包仕様の都合上、在来船海上輸送でしか対応が出来ない場合、輸送手段の観点で選択可能な物流事業者(NVOCC)はこちらも自ずと「B」となってしまいます。

このように事前に必要となる要素・条件を示す事が出来ていないと、折角複数業者から見積をとったとしても、実質的に利用可能/検討可能な見積が絞られてしまうということが起きてしまいます。

Cost(費用)、Delivery(納期)評価を適切に行う方法とは?

Cost(費用)、Delivery(納期)の評価、すなわち横比較を適切に行うためには、事前に必要となる要素・条件(輸送費用として許容できる目安となる金額、いつまでに輸送を完了させなければならないか、など)を見積取得先へも連絡しておくことが重要となります。

例えば、海上輸送においては次のような要素・条件を明確に伝えた上で見積取得されると良いかと思います。

・製品/貨物名称(Commodity)
・委託作業範囲
・貨物寸法(Length・Width・Height(縦x横x高さ))
・貨物重量(Net weightだけでなく、梱包の重量も含んだGross weightが望ましい)
・希望積港/揚港
・出荷数量
・出荷頻度
・トランシップ(積み替え)を許容するか否か
・着日指定の有無

まとめ

シンプルな海上輸送という委託作業範囲であれば、上記のポイントを押さえていただくことで横比較が可能な状態の見積を複数社から集めることが可能となるかと思います。

Cost(費用)とDelivery(納期)の評価を適切に実施するためには、同一条件下での評価が実現できるよう、見積取得時点から前提条件をしっかりと設定することが重要となりますので、是非意識してご対応いただければと存じます。同様に、本邦での貨物の引き取りや梱包、通関作業および輸出先での輸入通関や内陸輸送費用が発生する場合などにおいては、それら委託作業範囲にもとづいて、適切に前提条件を設定することが重要となります。

これら前提条件の設定について、ご出荷の経験が有られる荷主様であれば、過去のご出荷実績に基づいて設定が可能かと存じますが、そうでない荷主様或いは過去実績から時間が経ってしまっているお客様に於かれましては、物流事業者(NVOCC)に一度前提条件の設定からご相談することをお勧めいたします。それらの相談を経たのちに、複数社から相見積を取得されるなどすることで、真に妥当性のあるCost(費用)とDelivery(納期)の検証が実現できるかと存じます。
物流業務改善についてご興味がありましたら、是非、三菱商事ロジスティクスにご連絡ください。

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